小さな和菓子屋のマーケティング

コンビニは小さな和菓子屋にとって脅威か

こんにちは。和菓子屋悠の広報担当です。今日はコンビニエンスストアの和菓子は和菓子屋にとって脅威かどうかについて書いていきます。

コンビニスイーツや和菓子の魅力と強み

タイトルのコンビニエンスストアの和菓子ですが、実は私はコンビニ和菓子の大ファンです。毎月3,000円以上は費やしているのではないでしょうか。なぜ私が好きかというと、理由は大きくふたつあります。まず最初の理由は自宅の近所にあるコンビニでいつでも手に入るという利便性です。あ、和菓子が食べたいなと思ったら歩いて3分で買いに行ける便利さ。日本橋の三越様や新宿の伊勢丹様に伺えば伝統的な、しかもとても美味しい和菓子を買うことは出来ますが、すぐに甘味が食べたいと思った時はコンビニが魅力的です。そしてふたつめの理由はコストパフォーマンスの高さです。例えば私が好きなセブンイレブンの大福は140円で買えます。餅も柔らかく、餡も甘すぎずちょうどいい塩梅で美味しく本当におすすめです。当店は落雁を作っているので大福などの生菓子は作っていませんが、もし大福を作って売るとしたら恐らく200円は軽く越えてしまいます。昔は安かろう悪かろうでコンビニのお菓子はあまり美味しくないと思っていましたが、今はどのコンビニでも本当に安くて美味しい商品が増えたことで、気軽に、しかも低価格で美味しい和菓子を食べることが出来るようになりました。これは和菓子ファンとしては喜ばしいのですが、和菓子屋としては諸手を上げて喜んでばかりはいられません。

データで見るコンビニスイーツの脅威

表2

この表は農林水産省のデータで小豆の消費量の推移です。少しデータは古いですが、この表だけ見て分かることはまず、安価な輸入小豆の割合が増えていること、また小豆全体の消費量は高齢化にも関わらず目立って減少していない事、この2つが分かります。これに冒頭でお話したコンビニスイーツの昨今の台頭という印象の話に加え、このグラフでも明らかです。これはスイーツ(洋菓子)の販売チャネル別の売り上げ推移です。

このグラフを見ると明らかですが、CVSのコンビニエンスストアが大きく伸びていること、また個人の洋菓子店が著しく売り上げが下がっていることが分かります。コンビニエンスストアでは洋菓子だけでなく和菓子のラインナップも同様に充実してきているので、恐らく洋菓子と同じ傾向になっていることは明白です。最初の表で小豆の消費総量は変化していない事から見ても、コンビニエンスストアが伸びた分、どこかが減っていて、そのどこかは小さな和菓子屋などの個人店が多いと思われます。街の和菓子屋からコンビニへ、気軽さとコスパの高さによってお客様が流れていっていると推測が出来ます。当店も小さな和菓子屋なので他人事ではありません。ただ、重要なのはこの事実を受け止めた上でどう動くかだと思っています。

事実を受け止めた後、どうするか

時代の流れを憂いても、嘆いても、正直この状況は変わりません。大事なのは現実を受け止め、どう動くかだと思っています。和菓子屋悠は歴史も実績も老舗の和菓子屋様とは比べ物にならない小さな、若輩者の和菓子屋です。逆に言うと失うものはないのが強みです。大事にすべきところは守りながらも、時代や潮流に合った商いをしてお客様に知っていただき、興味を持って頂くにはどうすれば良いか考え、実行するだけです。去年から少しずつ出来ることを増やしていっております。SNSアカウント立ち上げや公式サイト作成、楽天市場店の店舗改装や見え方などの改善などなど、、コンビニエンスストアが頑張った結果、小さな和菓子屋とお客様との接点が減るのであれば新たに作ればいいと思っています。コンビニには出来ない事は工夫次第ですがたくさんあって、新たに作った接点からは今まで知って頂くことが出来なかった新しいお客様に出会える可能性も広がります。逆に考え方次第ではコンビニのお陰で美味しい和菓子にお客様が触れる事が増え、和菓子を好きな人の総量が増えるかもしれません。それは当店にとっても和菓子業界全体にとっても喜ばしいことではないでしょうか。そんなことを考えながら日々精進しております。最後にこのブログのタイトルである「コンビニは和菓子屋にとって脅威か」の私の意見ですが、「コンビニは脅威ではなく日本全国に和菓子フリークを増やす強い味方だ!」です。それではまた!

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