小さな和菓子屋がやりたいこと

弔事の際の手土産やお菓子は必ず持っていかなければならない訳ではありません

こんにちは。和菓子悠の広報担当です。今日は弔事(葬式や法事)の時にお菓子を持参することについて書きます。

弔事の際のマナーについて

まず最初に言っておきたいのは、弔事の際に持参する物や方法について、日本全体で統一されたルールやマナーはない、ということです。慶事、弔事の際の様々なしきたりや作法は地域や家それぞれが引き継いできた良しとする作法は千差万別で、例えばお葬式の際のお菓子を仏様の近くに供える時に、直接置くのが良いとする場合や、反対に直接置くのが失礼なので家人に渡すのが良いとされる場合があったりと、様々な価値観や地域の人々が入り混じる現代においては、作法や価値観が時代と共に曖昧になってきていると感じています。考えてみると、昔は生まれた地域で育ち、結婚して子供を育て、そのまま生まれた地域で死ぬまで生きていくという人生を送る人々がたくさんいました。そのため地域で生まれた作法はそのエリアでは常識的な考えとされるので、そのまま新しい考えや異なった考えが加わることなく、はたまた別の考えがあることすら知ることもなく一生を終える生き方が大多数でした。そこから現代では昔はなかった様々な新しい仕事ができ、家業ではなく人々が好きな仕事に自由について住みたい場所に住んで、生まれた地域に縛られることなく生きていける考え方が浸透するにつれ、そういっためでたい席や弔事の席での地域独自のしきたりや作法が別の地域の作法とミックスされていき、その結果正しい作法がわからない、という状況になってきているのが現在です。

様々な価値観を受け入れた先に

色々な文化や作法がないまぜになった昨今の状況は、弔事の際のお菓子や手土産を持っていこうと考える人々だけでなく、礼儀作法がわからないと考えているしっかりしたい人々を混乱させていると考えています。長い年月を経て守られてきたしきたりや作法はもちろん大事なのですが、それよりも最も大事なことは、故人を慈しんだり故人の思い出話に花を咲かせたりする事で故人の事を心に刻んで残された人が生きていくことだと思います。その目的の前では弔事の際の作法やしきたりを守るということは重要ではないと考えています。何が言いたいかというと、故人を慈しむための礼儀や作法は本来手段でしかないはずなのに、その作法を守ること自体が目的になってしまってはいないかという事です。故人のためを思って何かをするということにしきたりと違うから、出会ったり地域の作法と違うから、で “No” と言うのは違うかなと思います。これはおこがましい話ですが、礼儀や作法は少し横に置いておいて、故人の思い出話に花を咲かせるお茶の席に当店の和菓子が傍にある場合が増えれば、こんなに嬉しいことはないと考えています。そんな事を考えながら今日も和菓子悠の事をたくさんの人に知ってもらえるよう頑張っていきます。それではまた!

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP
PAGE TOP